班長 正清 健介
本研究の目的は、小津安二郎映画が英国で公開された1957年から、米国のD.ボードウェルが『映画の詩学』を発表し小津研究がピークを迎える1988年までの欧米における小津受容の実態を当時の映画批評の考察を通して明らかにすることである。
小津研究は既に多くあるが、その殆どは1970・80年代の研究に代表される作品研究である。しかし本研究は、作品が歴史的にどのように受容されたかを明らかにする受容研究であり、中でも欧米での受容に着目する。このような受容研究は、生前の小津の国際的評価の低さもあってか未だ進んでいない。またそもそも、本研究が考察対象とする欧米の小津映画批評の殆どは未邦訳であり、その存在自体が日本では知られていないという現状がある。本研究は、その未だ手付かずの小津批評を今回初めて網羅的に調査・考察しようと試みる点で有意義であり、小津作品の最初期の国際的評価を新たに提示するものとなる。
研究期間:2020年4月~2021年3月
氏名 | 所属 |
正清 健介 | 一橋大学大学院言語社会研究科 |
板井 仁 | 一橋大学大学院言語社会研究科 |
宮本 明子 | 同志社女子大学表象文化学部 |
伊藤 弘了 | 関西大学文学部/京都大学大学院人間・環境学研究科/京都府立大学文学部 |
氏名 | 所属 |
森本 淳生 | 副班長 |