■ 学位 博士[歴史学](ケンブリッジ大学) ■ 専門分野 科学史、メディア論 ■ 研究テーマ 共同的認識実践の歴史 |
本研究は科学史を共同的認識実践の歴史という観点からとらえなおし、近代日本およびイギリスにおける観察科学の歴史を研究する。科学者は自分の発見を他人にも共有可能で公的な知識とするために、観察結果を複製し、流通させ、その妥当性を共同的に確認し検討するための実践や制度として、科学器具の標準化、実験プロトコルや観測マニュアルの作成、結果を報告する科学雑誌の発行などを行ってきた。本研究ではこうした共同性を達成するために科学者が行った具体的実践を認識活動としてとらえ、それを支えるインフラとしてのネットワークやメディア環境、そこで構想されていた共同性の性質、および科学者を異なる共同性へと駆り立てていったエートスについて注目して、共同的認識実践の歴史を描くことを目指す。