■ 学位 |
前近代朝鮮の政治史を専制君主権力の発達の歴史として捉えた場合、その王権を輔佐する官僚機構と王権との関係はどのように変化していったのか。また貴族・官人層の身分的・社会的な構成にはどのような変化が認められるのか。本研究では高麗朝から朝鮮朝への王朝権力の交替を、朝鮮史における中世から近世への変革期として捉え、この変革期を通して王朝権力とそれを支える支配身分層の性格がどのように変化していったのかを究明する。
具体的には、官僚機構の運営を支える人事制度、文書行政制度や、官僚の違法行為に対する刑罰・懲戒制度などの解明を通して、当時における貴族・官人層の身分的・社会的な位相を具体的に明らかにしていきたい。