■ 学位 博士[文学](京都大学) ■専門分野 台湾史 ■研究テーマ 20世紀台湾農業経済の変容と自治・自律 |
日本植民地下の台湾農業経済は、サトウキビ・水稲生産を中心に急速な商品化を遂げたことが知られる。本研究では、人びとが商品経済の拡大をいかに経験し、さらにそのもとでどのように生きたのかを解明する。特に焦点となるのは栽培技術の革新であるが、本研究では日本・欧米からの技術移転の経緯のみならず、農村部における技術導入のありかたや、ローカルな技術改良・開発の様相を検討する。さらに商品化を背景として生じた農民運動、継続して行われた農村女性の採集活動についても検討を進め、自治・自律の契機を探りたい。史料として政府・企業が残した文書、地域に残された郷土資料を渉猟するほか、中国語や在来言語である台湾語を利用した聞き取り調査も並行しておこなう。