■ 学位 |
人文学研究は言うに及ばず、現代の学問研究において情報技術の必要性は自明のことと成りつつあるが、その利便性に目を奪われては学問本来の姿を見失うことになる。本研究では論理学的な考察を通して、現代に置かれた人文学の対象を見詰め直すことを目的とする。
論理学は大まかに学問における真理性の追求と、その対象領域の確定という二つの使命を担っている。人文学研究の実際の現場から、その対象の扱い方を論理学的に反省することで、真理性の表現としての形式化へと繋げることを目指す。特に対象の在り方の可能性を、対象を構成し、その属性を記述する媒体としての形式的体系との関連で捉える。このような考察は情報技術による人文学研究の新しい面を抽き出し、その可能性を広げることに繋がると考える。