■ 学位 |
漢から唐への移行期である魏晋南北朝時代は、官制をはじめとする諸制度が様々な変容・発展を遂げた時代であり、南朝の影響を強く受けた北魏孝文帝の諸改革は、隋唐制度の母胎として特に注目される。しかし孝文帝期以前の北魏の諸制度は、『魏書』の信頼性の欠如もあり不明な点が非常に多い。それらを解明する上で重要な手がかりを与えるのが、石刻などの出土文字資料である。本研究は如上の状況をふまえ、出土文字資料を援用し、また当該時期に大きな発展を遂げた礼学を視野に入れつつ、魏晋南北朝期における官制の変遷及び相互影響を捉え直し、あわせてその背景にある政治史、社会史について考察する