■ 学位 |
ロシア革命直前のコーカサスでは、義賊あるいは匪賊の表象は、テロリストあるいはマフィアという類型とも重合しつつ、植民地本国であるロシアにおいてはコーカサス諸民族全体へのイメージとなっている。義賊・匪賊の活動と表象は、現地の軍事・治安問題と連動していると思われる。グルジアを中心に、クリミア戦争後のメグレリ反乱・1877-8年の露土戦争後の義賊現象・日露戦争前後の農民反乱・第一次大戦期の戦時体制を扱い、ロシアあるいはコーカサスの知識人のエスニシティ規定にとって匪賊イメージが果たした役割を究明したい。