■ 学位 |
仏教美術の東アジアにおける受容と展開の様相を、かたちの中にこめられた意味内容を解読する作業を主柱として多角的に検証し、歴史的に跡づける研究を行う。主たる対象は六朝隋唐から両宋時代の中国で制作された彫刻・絵画・工芸等の作品群だが、併行期の朝鮮半島及び日本における状況も常に視野に入れ、厚みある考察の展開に努める。仏教美術が宗教美術であること、東アジアにとって仏教が外来宗教であることは本研究の遂行にあたって特に注視すべき事実であり、仏教徒の諸活動と作品生成の相関関係や、東アジア仏教美術におけるインド・中央アジア的要素の受容・継承のあり方についても、遺物・文献の双方から検討を加えたい。