班長 佐藤 智水
本国際研究ミーティングは、中国・龍門石窟研究院の焦建輝氏が、人文研の招へい研究員(客員准教授)として2018年11月~2019年2月の三ヶ月間滞在された機会を利用して、三度にわたり開催された。
人文研では所蔵拓本を活用して中国洛陽・龍門石窟の造像と造像記について考察を加える共同研究班「龍門北朝窟の造像と造像記」が運営されており、造像記の翻刻・解釈については仏教史学研究の立場から、非常勤講師として佐藤が助言を行っている。
本ミーティングでは各回とも、龍門北朝窟を代表する古陽洞の造像記と対応する造像について、同班の班員が作成した資料をもとに、現地の状況に精通した焦氏の教示を受けつつ合同で検討を加えた。第1回は唐代の作例、第2・3回は北壁上部の作例を、それぞれ対象とした。当日は留学生を含む班員、及び滞在中の外国人研究者をまじえた参加者との間で幅広い討論が交わされ、濃密な研究交流が行われた。この結果、同班が進めている造像記読解の信頼度を向上させる、貴重な知見を共有することができた。