■ 学位 博士[学術](東京大学) ■ 専門分野 東アジア美術史 ■ 研究テーマ 中国絵画史の研究 |
東アジア地域において長らく美的規範とみなされてきた中国絵画の史的展開について考えてゆく。画題や表現、筆者や流派に則した作品研究はもちろん、収集や鑑賞、伝来、評価といった政治や社会との関わりのなかで文物として派生してゆく問題もふくめて、中国絵画が有する表象性から中国文化のあり方を明らかにしてゆきたい。こうした課題を顕在化するためには、たとえば、清末から民国初期にかけての近代をふくむ王朝交替期という時期的特性や、「唐物」として中国文物を珍重してきた日本をはじめとする中国以外での地域的特性を手がかりとすることが考えられるだろう。日本でおこなう中国絵画研究の意義を自問しつつ、書跡や詩文といった隣接する芸術分野や領域にも関心をもちつづけてゆきたい。