〈時間-生〉芸術の研究-ボードレールとその受容(2021年度)

班長 小倉 康寛

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シャルル・ボードレール(Charles Baudelaire, 1821-1867)は、批評家として「決して間違えることがなかった」。ヴァレリーが宣言したように、『悪の花』の作者は20世紀初頭、詩学、芸術論、モダニズム論などの分野で、近代の起点という意味での「権威」になる。その後の研究史を振り返れば、こうした描き方は、否定と肯定の繰り返しだった。今後、彼の位置はどのようになるのか。本研究は時間という、多くの作家に共通する根源的なテーマを視角に、各作家と我々が、ボードレールとどのような距離にあるのか、捉え直しを図る。
本研究は発表者が、(1) 時間をテーマにボードレールの作品を論じた上で、(2) バンヴィル、マラルメ、ドビュッシー、ヴァレリーにおける受容や影響関係を考察していく。(3) また20世紀の哲学で、詩の果たした役割をも論究する。
本研究は時の観念という人間の生死の根幹にあるものが、作家ごとに異なることを作品の分析から理解していく。こうして浮き彫りになった〈時間−生〉の相対性を手掛かりに、本研究は、ボードレールの現代的な位置を見定める。

研究期間:2021年4月~2022年3月

班員(学外)

氏名 所属
小倉  康寛 [班長] 南山大学外国語学部
廣田  大地 神戸大学大学院国際文化学研究科
鳥山  定嗣 名古屋大学大学院人文学研究科
清水  まさ志 鳥取大学地域価値創造研究教育機構 エクステンション推進室
中畑  寛之 神戸大学大学院人文学研究科 文学部
青柳  いづみこ 大阪音楽大学 名誉教授
服部  敬弘 同志社大学文学部 哲学科
佐々木 稔 愛知学院大学
平野  啓一郎 小説家

 

班員(所内)

氏名 所属
森本 淳生 副班長